猫のお風呂事情-シャンプーをする理由と3つのポイント

猫ってシャンプーしたほうがいいの?でも外の猫って体を洗わなくても元気そう。猫にとってのシャンプーの目的と頻度や手順など、猫のカラダを知るために避けることができないシャンプーを詳しく紹介します。

シャンプー
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猫ってシャンプーしたほうがいいの?頻度は?

猫はきれい好きで有名ですよね。お風呂やシャンプーも入れてあげたほうが猫が喜ぶのではと思うかもしれませんが、実は嫌がる猫のほうが断然多いです。

猫の動画でお風呂で泳いでる猫を見たことがありますが、お風呂に入れることが大変な経験をされた方は羨ましくてしょうがないですよね。

うちの猫はお風呂に入れようとすると暴れて大変です。人間は傷だらけ。気合いを入れないとお風呂なんて無理!という飼い主さんも多いのではないでしょうか。

そもそも猫にシャンプーしてあげるべきなのか?自然で生きている猫はお風呂にも入っていないし水浴びもしていない様子。家猫なら汚れも少ないしどのくらいの頻度で体を洗ってあげたほうがいいのでしょうか?

初めて猫を飼う方や、長年飼っていても長年お風呂に入れていない方など、シャンプーの意味と目的をご紹介します。

猫にシャンプーって必要?

結論から言うと、短毛でブラッシングをこまめにしている猫であればシャンプーはさほど必要ありません。

ただ逆を言えば長毛の猫やブラッシングがなかなかできない猫はたまにシャンプーしてあげると良いでしょう。

猫は体が水に濡れることを極端に嫌がります。お風呂に入れたりシャンプーをしてあげても体を拭いたり乾かしたりすることが大変で時間もかかり、猫にとってもストレスになります。

シャンプー好きな猫は少ないので最低限の頻度で問題ありません。汚れが気になったときや毛並みが悪くなってきたときなどにシャンプーをしてあげてください。

猫をお風呂でシャンプーする頻度は?

短毛・長毛それぞれでお風呂の頻度は異なります。

短毛は年1回程度でOK。グルーミングで体はある程度キレイに保たれますし汚れも多く残ることはありません。また、ブラッシングを定期的にしてあげることでゴミや古い毛の掃除にもなります。

長毛は2~3ヶ月に1回程度でOKです。長毛の場合は汚れが中に入ってしまいグルーミングでも取り切れないことがあります。また頻繁に毛を吐くような猫の場合はブラッシングも兼ねて1~2ヶ月に1回程度シャンプーしてあげると良いでしょう。

あまり頻繁にシャンプーしすぎると体にあるバリア機能が低下する恐れもありますので、汚れが気になったり毛並みを整えたいときなど猫に合わせて最低限の頻度で行ってください。

猫は自分で体をキレイにすることができるのであまり神経質になることはありません。もし排便などで汚れたときでも汚れた部分だけや手足だけにする等、工夫してシャンプーしてあげましょう。

猫をシャンプーする目的と本当の意味

猫のシャンプーで得られるメリットとは

猫をシャンプーしてあげる理由の1つに「毛並みをキレイにすること」が挙げられます。

毛並みがキレイになればゴミも落とせますし、野良猫出身の猫や散歩する猫にとってはノミ対策にもなります。

また、高齢になるとグルーミング(自分で毛づくろい)もできなくなることが多いため、ブラッシングを兼ねてシャンプーすることも大きな意味をもちます。

猫にとってグルーミングはストレス発散の行動のひとつでもあるので、体をキレイに維持してあげる手助けと考えると良いでしょう。

次に、「汚れを落とし清潔を保つ」ことが目的でもあります。

猫はグルーミングをすることで体の汚れを落とし毛並みを整えますが、特に長毛の猫は定期的に毛の絡みを取り除いてあげることが必要です。シャンプー前にブラッシングすることはもちろん、日頃から飼い主のブラッシングに慣れてもらうことも重要です。

毛並みをキレイにすることで汚れも溜まりにくく、またブラッシングを定期的に行うことで清潔を保つことができます。

猫のグルーミングのお手伝いをする気持ちでシャンプーをしてあげましょう。

シャンプーで猫の健康管理ができる

猫の体を触ることやブラッシングをすることは健康チェックの目的が大きくあります。後述しますが、シャンプーにはブラッシングが不可欠です。

ブラッシングをしているときに何か引っかかって傷に気づくことや、古い角質がポロポロ出てくることはありませんか?猫を長年飼っている方は思い当たることがありますよね。たかがブラッシング、されどブラッシング、からのシャンプーなのです。

神経質にシャンプーにこだわる必要はありませんが、健康管理とコミュニケーションの大事なツールです。歯磨きもシャンプーも猫にとっては嫌なことですが、人間が歯医者に行くのが嫌なのと同じなのかもしれません。でも歯医者も敵的に通うことで虫歯や病気が見つかり健康な歯を維持できますよね。「嫌なことであっても必要なこと」と理解し猫の気分や体調に合わせてシャンプーをしてあげましょう。

ただし無理やりお風呂に連れて行って無理やり体を濡らすことはしないように!嫌な思い出になって二度とシャンプーできなくなることも…

ゆっくり徐々にお風呂に慣れてもらって、たまにシャンプーしてあげるなど工夫して進めてください。

猫のご機嫌をとるのは難しいけど、猫っておもしろいですね。多少嫌がられても、長生きしてもらうために体を毎日たっぷり触って些細な変化に気づきましょう。

 

猫がシャンプー嫌いなワケ

どうしてあんなにシャンプーを嫌がるのか、それは猫の生態にヒミツがあります。

猫はもともと砂漠地帯に住んでいたため体が水に濡れることに慣れていません。また猫は寒さに弱いため細い毛で体を覆い保温しています。細くて密集した毛は撥水性は低く濡れると乾くまでとても時間がかかります。

寒がりな猫は濡れた体で体が冷えることを嫌がります。

また、体を洗うことで自分のニオイが消えることも嫌がることも。

猫が人間の足に絡みついてニオイをつけることもよくありますよね。縄張りで生活をする習慣がある猫にとっては自分のニオイはとても大切なのです。

猫の種類や状況によってはシャンプーがさほど必要ない場合もあります。嫌がるようなときは無理にシャンプーせず、獣医師さんへ気になるところを相談してみてください。

猫をシャンプーするときの手順と3つのポイント

【ポイントその1】ブラッシングを丁寧に

まずはブラッシングを丁寧にしてあげましょう。

ブラッシングは毛並みを整えるだけでなく、汚れやフケなど余計なゴミを取り除く効果があります。

ブラッシングを手抜きしてシャンプーしても、本来の目的であるシャンプー効果は期待できません。

ツヤツヤのサラサラにしてあげることで皮膚の病気予防にもなりますので丁寧にブラッシングしてからシャンプーしましょう。

【ポイントその2】爪を短くしておく

猫は濡れることを嫌います。お風呂で暴れて爪が引っかかりケガをしてしまうことを防ぐとともに、人間も引っかかれないために爪を短くしておきましょう。

猫は爪を研ぐことで狩猟の準備をしていますが、日頃から爪を短くしておくことでケガ予防にもなります。

ソファなどに爪が引っかかって取れない姿をよく見かけませんか?無理に引っ張って爪が剥がれてしまうこともあります。猫は丈夫な動物に思えますが、大事な爪から大きなケガを引き起こさないためにも爪切りはマメに行うようにしましょう。

爪切りが苦手な猫は獣医師さんへお任せしましょう!おおよそ500円程度で切ってくれる病院が多いです。

爪切りだけで行くのも…と思いがちですが、定期的に動物病院へ通うことで些細な変化に気づくきっかけにもなります。いつもの爪切りから病気の発見ができたらそんなに嬉しいことはありませんよね。動物病院へ通うことも爪切りを口実に習慣にしてみては?

【ポイントその3】体をしっかり濡らす&しっかり乾かす

ブラッシングや爪切りが完了しシャンプーの準備ができたら、シャンプー後に体を拭くタオルやドライヤーと準備しておきましょう。体が濡れてストレスを感じた猫は遠くに隠れる可能性もあります。

ブラッシングでゴミを落とした体をゆっくり、ぬるま湯でたっぷりと濡らします。このとき小さな桶やタライにお湯を貯めるといいでしょう。

狭いところに座らせてゆっくりとお湯をかけます。耳の中が濡れないように十分注意し背中からお尻まで濡らします。そしてお腹に手を当てながら首からお腹まで撫でるようにお湯を回します。

シャンプーは適量に、簡単に泡立てて奥の汚れを落とすイメージで洗いましょう。

泡が残らないようしっかりと流し切ったら、たくさんのタオルで体を拭いてください。おおまかに水分が取れたら少し距離をとってドライヤーで乾かします。大きな音や風が苦手な猫もいるので、至近距離からではなく風が届く程度で人間の手とタオルを駆使してドライヤーで時短しましょう。

体が濡れたままだと猫がストレスを感じるだけでなく、雑菌の繁殖や汚れが奥に残ってしまうこともあります。

最後までしっかり乾かすことを目標にシャンプーを開始してください。「乾かすこと」に重点を置いて挑むと猫の体が長時間濡れていることを防げますし、シャンプーも短時間で済ませることができます。

くれぐれも猫にとっては気持ちがいい時間ではない、ということを忘れずにシャンプーしてあげてください。

 

猫がシャンプーを嫌がるときの対処法

猫がどうしてもシャンプーを嫌がる場合、無理強いしないことが重要です。

お風呂を覗きに来るけど水は嫌い、という猫がほとんどです。

短毛猫ならばほとんどシャンプーは必要ないですし、長毛猫でも嫌がる&乾かすが大変という場合は2ヶ月に1回という目標は捨て、年に数回出来ればラッキーくらいに思うほうがいいでしょう。その代わりブラッシングをこまめにしてあげることで汚れを取り皮膚病予防に努めてください。汚れが溜まると古い角質によって病気になったりします。

しばらくシャンプーができず体の状態が心配な場合は獣医師さんへ定期的に見てもらうこともいいでしょう。

猫はわがままで自己主張が強い動物ですが、体調不良を表現する力は低い動物です。

ブラッシングというコミュニケーションで健康を維持してあげましょう。

この記事を書いた人
and.
MAMI

猫飼い歴12年の無類の猫好き。猫の病気や生態についての知識を持つ。

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