毎日の健康に欠かせない「水」。
猫と水のヒミツや正しい水の与え方を紹介します。
病気を防ぐポイントもお水にあります。
猫が毎日健康でいるための秘訣として是非参考にしてみてください!
猫の飲み水はどうやって選べばいいの?
猫が味にうるさくグルメなのは有名な話ですよね。新鮮なものを好み、好き嫌いもはっきりしているところがかわいい部分でもあります。「このごはん好きだったのに急に飽きたのか一切食べなくなった!」ってことや「ニオイを嗅ぐだけで食べてくれない!」など買ったごはんを気に入ってくれなくて困った経験ありませんか?
猫は食事だけじゃなく、実は「水」の味もわかるようです。
猫と水に関する豆知識やお水をどう与えるのがいいのか、いくつかのポイントをご紹介します!
猫は水の味もわかるってホント?
猫は甘みを感じる機能が舌にありません。肉食動物である猫は甘みを感じることができる炭水化物を食べる習慣がないため、甘みを感じる機能は重要でなかったためです。
その代わりに食物が腐っていないか確認する機能が敏感です。酸っぱさ→苦さ→しょっぱさ の順に味覚を感じることができると言われています。腐ったのものを判別するというのは肉食動物ならではですね。
また猫はいろんな場所で水を飲みますよね。いつも置いている容器、蛇口、浴槽など、猫によって好きな水があると思います。飼い主にとっては迷惑な場所もありますが、それは猫の本能からきているものかもしれません。
猫は人間にない味覚を持っているのか、水に対しても強いこだわりがあります。
水道水が嫌いな猫や、浄水が嫌いな猫、猫によって好みはそれぞれですが好きな理由も嫌いな理由もあるはずです。
猫の味覚や生態はまだ不思議なことがたくさんありますが、これだけ好き嫌いがはっきりしているということは味をわかっているということで間違いないですね。
毎日いくつかの場所をぐるぐる回って水を飲んでいる猫は多いようです。家猫でも複数の場所で水を飲みたがる猫が多く、広い部屋だと2箇所以上設置しているおうちもあります。ちなみにうちの猫は置き水とトイレの蛇口から出てくる水を1日2回ずつ飲んでいます。
その行動は常に新鮮なものを口にしたい本能が原因かもしれません。肉食動物は獲得した獲物が腐っていないかを確認することを重要視しています。生モノを主食としているからこそ新鮮な食事と水を好む習性があるのです。
よって新鮮と思われる蛇口から流れ出る水が好きだったり、いつもの場所とは違う水を飲んでみたりと、常に複数の場所で水を飲む猫が多いのはそれが理由です。
自分の体を守るため新鮮なものを探して歩いているんですね。
また猫はそれぞれ個体によって好きな水や飲み場があります。その違いはお水の種類や容器にあると思われます。
水道水の塩素臭が苦手な猫、ステンレスの容器が苦手な猫など、猫は味を見分けて飲んでいることが考えられます。
子猫の頃からある程度の好みがわかってくると思いますが、お水を飲まない場合「場所」「容器」「水の種類」どれかに原因があるはずなので、こちらの内容を参考にしてみてください!
猫の飲み水 最適な置き場所と容器は?
上にも記したとおり、猫は常に新鮮なものを好みます。
食事や水はどこに置けばいいのか、最初はすごく悩みますよね。狭い部屋だとなおさら、置く場所が限定されてしまいます。
トイレ、食事、お水、それぞれの場所をしっかり確保するためには何を重要視したらよいでしょう。
猫が喜ぶ飲み水のポイントとは!?
ごはんの隣に水を置くのはNG!
ごはんの隣にお水を置いている家庭は多いのではないでしょうか。実はそれNGです。
猫のような肉食動物は、狩ってきた獲物を食べる場所と水飲み場所は離れたところに設置します。
なぜなら新鮮な水を補給する場所の近くに腐る生モノがあると不衛生ですよね。本来、肉食動物である猫は主食が「生モノ」であるため腐るものに敏感です。
猫は腐ったものを食べないように嗅覚も発達しているため、新鮮な飲み水とごはんを近くにしない習性があります。
家猫も本能が残っています。ごはんの隣に水を置くのは嫌がるので注意しましょう。
猫の水飲み容器の選び方
第一に猫が飲みやすい形状であることが重要です。
容器は「ひげが当たらない」「飲みやすい高さ」に気をつけてください。
猫にとってひげは大変重要な体の一部です。ひげが濡れることを嫌がる猫も多いので、ひげがあたらない広めの容器で少し深めがよいでしょう。たっぷりのお水を猫が少しかがめば届く高さに設置してあげてください。
また、ステンレスなどの容器の場合は顔が写ったり光ったりすることで嫌がる猫もいます。ステンレスの味が苦手な場合もあるので陶器やプラスチックが良いでしょう。
子猫のときはお皿から飲むことが難しい場合もありますが、給水器の蛇口部分がステンレスで飲んでくれない子猫も多いので給水器の材質には気をつけて購入するようにしてください。
お皿でお水を上げる場合は床と同じ高さにするのではなく、猫の首が真下にならない程度の高さにしてあげましょう。体型に合わせて小さい棚を下においてあげるのもいいですね。
猫の水飲み場は2つ以上設置しよう
猫は常に新鮮なものを好むということがわかりましたよね。
ゴミが浮いていたり汚れていたりすると水を飲むことを拒みます。家の中で自由に飲める水が一つしかない場合、その一つが汚れていると水分摂取ができません。
万が一ひとつのコップが汚れてしまった場合、いつでも自由に新鮮な水を飲めるよう猫1匹に対して2つ以上のお水を設置してあげると良いでしょう。
他の猫が飲んだ形跡があったり他の味を嫌う場合もあるので、多頭飼いのおうちでは猫の性格と人数に合わせて少し多めに設置してあげてください。
毎日交換するのものなので、人間がお水を交換する場所との導線も考慮して設置すると手間が削減できます。
ただし猫の食事場所とは離してあげましょう。
猫にウォーターサーバーの水がダメってほんと?
猫にどんなお水をあげるのが良いのでしょう。
水道水?ミネラルウォーター?ウォーターサーバー?
体にいいと思って与えているものも、よく知らないとキケンかも。
お水それぞれの特徴と注意するべき点をご紹介します。
水道水は猫のカラダにいいの?
日本の水道水は軟水です。硬水はミネラル含有量が多すぎて泌尿器の病気にかかりやすくなるため、日本の水道水のような軟水がオススメです。
また日本の水道水は塩素で消毒されているため腐りにくく、また高水準であるため動物にとって問題になる成分はありません。腐ることを嫌がる猫にとっては新鮮で腐りにくいのが良いですね。
ただ塩素のニオイを嫌う猫もいるので、飲んでくれない場合は何が原因なのか特定しましょう。塩素のニオイではなく容器かもしれません。まずは飲んでもらえる水を探してみましょう。
ミネラルウォーターは猫にキケン?
日本製のミネラルウォーターはほとんどが軟水なので猫に飲ませても問題ありません。
ただ塩素消毒されていないため腐りやすく雑菌が増殖しやすいです。ミネラルウォーターを主とする場合は、1日2回以上お水を交換するように心がけてください。雑菌の繁殖により体を壊したりしないようこまめに換えてあげることが重要です。
硬水のミネラルウォーターだと尿路結石などの病気の原因にもなりかねないので、ミネラル含有量など成分をきちんと確認した上で与えましょう。
ウォーターサーバーの水は猫に飲ませて大丈夫?
ウォーターサーバーの水は猫に与えても問題ありません。ただし軟水であることを確認しましょう。
日本のほとんどのメーカーが軟水で生産しているため成分について確認出来れば問題ありませんが、ミネラルウォーター同様、塩素消毒がされていないものが多いため腐りやすいです。
またウォーターサーバーは冷水・温水と選べるものが多いですが、猫にとって冷水は胃腸に負担をかけるので冷水に少し温水を混ぜて適温にしてあげることをオススメします。
猫には常温の軟水を!
猫にとって日本の水道水は適しているので、塩素のニオイに敏感な猫でなければ水道水で十分です。
むしろ水道水のほうが消毒もされていて安全と考えることもできるので、腐りにくい水道水がいいかもしれません。
ちなみにうちは子猫のときから今までずっと水道水です。いつでも蛇口から新鮮な水が出てくる日本はいいですね。猫にも安心して与えることができるので、猫とおうちに合ったお水を選んでみてください。
猫が水を飲んでくれないときの対処法 3つのポイント
置き場所がイヤ!
水の置き場所は清潔ですか?近くにごはんがありませんか?うるさい場所ではありませんか?
猫は水を飲む場所を「新鮮な水が出てくる場所」と認識して、初めて飲んでくれます。
腐った水かも、汚れているかも、人が近くにいて落ち着かない!などと思ってしまうと落ち着いて水を飲むことができません。
静かで清潔な場所であるかを確認してみましょう。
容器がイヤ!
猫によってはステンレスの味が苦手な子もいます。また水面に顔が写ってしまうことで落ち着かない子もいます。
ガラスやステンレスで飲んでくれない場合は陶器に変えてみたり、皿からコップに変えてみたり、いくつかのパターンを試してみるといいです。
子供の頃から慣れている容器でも体格が大きくなるにつれて高さが合わなかったり、味の好みが変わったりする場合もあります。
設置場所に問題がない場合は容器かも?と思って変えてみては?
味がイヤ!
塩素のニオイが苦手な猫もいます。水道水に慣れている子は問題なく飲んでくれますが、家が変わったり水そのものが原因かも、と思ったら種類を変えてみるといいでしょう。
ただしミネラルウォーターやウォーターサーバーの水は塩素消毒がされていないので、こまめに交換することを徹底してください。
お水の与え方を変えるとき注意すること
お水を飲んでくれない場合は以上の3点が原因の可能性があります。
場所や容器を変える時は急にすべての水を変更するのではなく、2つあるうちの1つを変えてみるなど、急な環境の変化を起こさないよう気をつけてください。
猫は急な変化に対応する能力が低いです。変化がストレスになる場合もあるので徐々に変更するよう心がけてください。
ちなみに猫は砂漠でも少量の水で生きていけるようなカラダの作りをしています。その代わりオシッコが凝縮される構造でもあるので適度な量を飲むことが重要です。
1日あたりどの程度、どのくらいの頻度で飲んでいるか定期的に観察してみましょう。決まった容器に決まった分量を入れて、決まった時間に減り具合を見てみることをオススメします。
飲んでいる水の量が最適なのか分からない場合は獣医師さんへ相談してみてください。
猫の年齢や体格によって診断内容も変わります。猫は泌尿器の病気になりやすいので体調の変化があったり不安に思うことがあればすぐ病院へ!
猫は新しいモノが好き!
猫は新鮮で新しいモノが大好きです。ごはんもお水もおもちゃも、新しいモノに目がないですね。
特に体をつくる食事とお水は常に新鮮であることを心がけてください。人間が与える食事が猫の体を作るのです。
ごはんとお水は遠いところに、またいつも新鮮であるように心がけましょう!